どうする? 固有名で正確に記録するか? それとも、ボカすか?
うーん。
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大学生のころ、女の子ん家に転がり込んで、日々、天下をとるための作品の構想ばかりしてた俺。
彼女はできた女で、
「マサヤ(僕の本名)は、作品をつくればいい。わたしが働くから大丈夫」
と言ってくれる女だった。どういう勝算があってそういう発言になるのか、さっぱり分からんかったけど。
ある日、彼女が深刻そうな顔で、僕に、こう言った。
「ゴリさん(広島大学映画研究会の部長。名前からは想像できんかもだけど、女子。しかも、けっこう、かわゆい)に言われた」
言い難かったんだろうね。ここで、けっこう間があいた。
「あのひと(わしのこと)は、口ばっかで、行動せん人よって」
ふーん。
だから、僕は、劇団をつくった。才能ある演者に声をかけ、大学の学費を払わずにそのお金で神田神保町に行き古本で大事な本を買い、劇団員に6ヶ月間ボイストレーニングを課し。
でも、僕の”若さ”のせいで空中分解した劇団。そのときのみんなに、申し訳ないと、思っています。
以前このブログにも登場した大谷くん(https://jampackedtheatre.blogspot.com/2024/06/blog-post_32.html)も、もちろんさそった。大谷くん自身が演出家志望であった。
ある日、主要メンバーで、会議をひらいた。出席したのは、俺、俺の彼女、大谷くん、大谷くんの彼女。会議の主題は、劇団名をどうするか、だった。
大谷くんの彼女の名前、思い出した。みんなは、アラヤンと呼んでたけど、もちろん本名は違う。
紛糾した。けっこう時間がかかったと思う。
大谷くんが、ふと、
「jam-packed-theatreがいいんじゃない?」
と言った。
以前も書いたけど、大谷くんは霊感ありタイプ。しかも、巫女属性だと、いまになって思う。
英文科なのに大谷くんが言った「jam-packed-theatre」の意味が分からず恥ずかしい僕ではあったが、大谷くんに問う。
「どういう意味?」
「うん。すし詰め状態の劇場、って意味」
俺の彼女が英和辞書をひっぱりだして当該ページを見せてくれる。
「だね。それにしよう」と僕。
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